15.心臓発作の時に使う薬をタンスの中に・・・

 在宅訪問していて判明したことです。Aさんは、飲んでいるすべての薬をタンスの引き出しの中に保管していました。でも、その薬の中には心臓発作の時に使う頓服薬も含まれていました。この事例で問題になった薬は、狭心症治療薬の硝酸イソソルビドの錠剤でした。胸が痛んだり締め付けられるような狭心発作が起きたり、発作が始まりそうになったらこの薬を舌の下に入れて溶かします。同じような使い方をする薬にニトログリセリンという薬もあります。狭心症の発作はいつ起こるか分かりませんので、外出時には財布の中などに入れて必ず身に付けていなければなりません。頓服薬は「いつ」「どんな時に」「どのように」使うのか、医師や薬剤師に必ず確認しておきましょう。


16.便秘薬を飲んでも効果が出ない。それどころか吐き気まで・・・
と便秘で困っているAさんがある日薬局を訪ねて言った言葉です。良く聞いてみると、Aさんが飲んでいたのは「腸溶錠」といって、胃で溶けずにアルカリ性の腸で溶けるように工夫された便秘薬でした。Aさんはこの薬を牛乳と一緒に飲んでいたのです。腸溶錠は、錠剤に膜をかけ酸性の胃ではなくアルカリ性の腸で解けるように工夫された薬です。ですから、胃の中で牛乳のようなアルカリ性のものと一緒になると、腸に届く前に胃で溶けてしまい効果がなくなってしまうのです。そのためムカツキが起こったわけです。これは、噛んだり潰したりして飲んでも同じことです。
市販の便秘薬の添付文章には「本剤は腸溶錠のため、制酸剤やミルクを飲んでから1時間以内の服用は避けてください」「コップ一杯の水またはお湯で噛まずに服用してください」などと書かれています。でもAさんは普段から起きがけに冷たい牛乳を飲んでトイレに行くきっかけをつくろうと習慣化していたため、つい牛乳と一緒に飲んでいたようです。
便秘薬のすべてが腸溶錠ではありませんが、今あなたが使っている便秘薬はどうでしょうか。「効き目が悪いな」と思っている方は、「腸溶錠かどうか」、「アルカリ性の飲食物と一緒に服用していないか」などを一度確認してみると良いでしょう。なお、参考までにアルカリ性の強い食品を例示すると、ワカメ、ゴボウ、ニンジン、リンゴ、納豆、スイカ、ブドウ、バナナ、ナシ、昆布、大根、シイタケ、イチゴ、キャベツなどが挙げられます。
お薬を服用しているときは、食品にも注意を向ける必要があります。