タバコの害1 
タバコの煙の中には、約 ,000 種類の化学物質が含まれていて、その内 200 種類以上は身体に有害な物質だといわれています。その中でも含まれる量と毒性の強さから、 ニコチン タール 一酸化炭素 は3大有害物質といえます。 ニコチン には交感神経を刺激する作用があるために、末梢血管が収縮して血流が少なくなり、その結果、血圧が上昇したり脈拍が早くなって、心臓に負担をかけ、血管の老化を促進します。また、喫煙を習慣づけさせる作用も持っています。 タール はタバコの煙を集めて冷やすとできる黄褐色のねばねばした液体、ヤニそのものであり、がんの発生を促す発ガン物質がたくさん含まれています。 一酸化炭素 は、体内に入ると、本来、酸素と結びついて運搬してくれるはずの赤血球中の血色素に約 200 倍もの強い力で結びついて、体内は軽い酸欠状態になってしまいます。また、動脈硬化や心臓病の発生にも関与しています。そして、タバコは肺がんだけでなく、ほとんどのがんの発生に関わりがあり、特に、 タール が吸着されやすい肺、口腔、咽頭、喉頭、食道のがんと関わりが深いと考えられています。さらに、飲酒しながらのタバコの害はさらに最悪といってもいいでしょう。
 

タバコの煙が通過する呼吸器においては、肺気腫と慢性気管支炎という疾患があります。肺気腫とはタバコの煙の刺激によって、気道が慢性的に炎症を起こし、肺の一部が壊されたり傷ついて、次第に弾力がなくなり、息切れや呼吸困難を起こします。慢性気管支炎とは気道の分泌物が多くなり、たんやせきに悩まされ、細菌感染を起こしやすくなり、発熱を伴うこともある疾患です。口の中も、タバコの煙の通過点ですから、歯周疾患、歯石付着、口臭などの原因にもなります。一流の料理人などは味覚や嗅覚が低下しないようにタバコを吸わないと言われています。

さらに近年、若い女性の喫煙率が増加していると言われていますが、女性には特有の影響があります。妊娠中の喫煙は、低体重児の出産や、早産、流産の危険性を高めます。その理由は、 ニコチン が子宮や胎盤の血管を収縮させること、さらに、 一酸化炭素 などによって、胎児が酸欠状態にさらされるためと考えられます。タバコの煙には、 「主流煙」 と呼ばれる喫煙者がフィルターを通して吸う煙と、 「副流煙」 と呼ばれる火のついた部分から立ち上る煙があり、有害物質は 「主流煙」 よりも 「副流煙」 のほうに高い濃度のものが含まれています。そのため、タバコを吸わない人でも、喫煙者と同じ空間にいれば、この有害なタバコ煙を吸い込むことになります。これを受動喫煙 ( 間接喫煙 ) といいます。